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少子化は時代の趨勢(すうせい)

 経済の衰退、少子高齢化は、日本だけの現象ではないから、今後はそうなるんだと思って生きるしかない。どうなるかというと、一人ひとりは今より貧乏になって、どんどん人口が減っていく。時代が江戸時代に戻るわけではないけれど、生活水準としては、それに近いものがあると思っていいんじゃないか。もちろん、これは、ぼくの勝手な発想であって、現実そうなるわけではない。

 そう理解できたなら、今まで以上に汗水たらして働くんだという発想は必要ない。少なくとも、ぼくはそう思わない。どう節約して、どう残りの人生を楽しむかだ。ぼく自身すでに年金をもらっていい年齢だ。今年64歳になるけど、まだ年金はもらっていないし、今年もらえる分はほんのわずかだ。でもそんなことに文句を言ってもしょうがない。今後はどんどん年金の存在そのものが薄っぺらなものになっていく。

削れるところは削る

 必要だと思うもの、使えるものは使ってきたし、払うものはどんどん払ってきた。それは考え直す時代になった。悲しいことじゃない。無料で使えるものもたくさんある。特にテクノロジーの進化はすさまじい。ネットワークがこれほど身近になって、使いやすいものになるとは、想像を超える以上だ。現実に30年前にパソコンを使って動画を見るって想像していた人がどれくらいいただろうか。今は、それどころか、ポケットにはいるスマホで動画が見える。

 ぼく自身は、銀行の窓口に並ぶこともなくなった。ネットが使えない、使いにくい銀行とはすでにオサラバだ。振込手数料がかからない銀行もある。人件費がかからない分がそこに注力されている。手数料無料はどんどん広がっている一方で、窓口の手数料は上がる一方だ。両替するだけでもずいぶん高い手数料を取られる。ネットなら、お金はそもそも数字でしかない。

 本も、これまでだって、もともと地元の図書館に行けば、無料で借りられる。蔵書を持つ意味はなんだろうか。図書館にない本を読みたいから?探すのがめんどうだから?それなら、ネットにいくらでもある。蔵書を持つ必要もない。ぼくは海外でkindleが読まれていた頃から、日本語の本がkindleで読める時代が待ち遠しかった。現代はいい時代だ!

レコードショップをハシゴしていた80年代

 そんな昔の話をしてもしょうがない。レコードショップっていっても、大きなお店だけじゃない、中古のレコードショップがあちこちにあった。ジャケットをすばやくチェックするのが通(つう)の仕草の一つだった。耳にはヘッドフォン、線でつながったソニーウォークマンというのは、割とありがちの風景だった。今、レコードショップどころか、CDショップを探すのも至難の業(わざ)となった。